アメリカでサマータイムが嫌われる理由:デメリットは何?

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こんにちは、Satoriです。

もう新しい年まであとわずかとなりましたが、2020年と言えば、何と言っても東京オリンピックですよね!

2018年の夏ごろには、オリンピック開催期間中の暑さ対策のため「日本でサマータイム導入か!?」という話が出ました。しかも、時間を2時間もずらす提案もあったのだとか!

いたって真面目な提案だったとは思うのですが、私的には、時代に逆行しすぎていて、なんだかビックリしました(笑)。

しかし、結局、今回は見送りになったものの、将来的には、またこの話が出てくる可能性もありますよね。

そこで今日は、私の住むアメリカのサマータイムの状況について、お話ししたいと思います。

実は、あまり好かれてなくて、廃止運動も盛んになってきています。

サマータイムとは

日本やヨーロッパで「サマータイム(夏時間)」と呼ばれる制度は、アメリカではDaylight Saving Time(デイライトセービングタイム)と呼ばれています。

デイライトセービングとは、言葉の通り、デイライト(昼間の日光の光)をセーブ(節約)する、制度のことです。

アメリカでは、毎年3月の第2日曜日の午前2時に始まり、11月の第1日曜日の午前2時に終わります。この約7ヶ月と3週間がサマータイムになります。

そして、残りの約4ヶ月と1週間は、「スタンダードタイム」と呼ばれます。

Spring forward, Fall back

アメリカのサマータイム制度の説明として、「Spring forward, Fall back」というフレーズがあります。

これは、サマータイムが始まる春(spring)には、時計の針を1時間進め(forward)、終わる秋(fall)には、時計の針を1時間戻す(back)という意味です。

・・・つまり?

分かりやすく説明すると、3月の第2日曜日の、午前1時59分から1分経つと、午前2時ではなく、午前3時になります。

つまり、午前2時台の1時間を、まるっと失います。

夜12時に寝て、朝7時に起きた場合、通常7時間の睡眠時間が取れますが、サマータイムの開始日は、朝7時に起きても、6時間しか寝ていないことになります。

そして、サマータイムが終る時には、これと逆のことが起こります。

11月の第1日曜日の午前1時59分から1分経つと、午前2時ではなく、午前1時に逆戻りします。

つまり、夜12時に寝て、朝7時に起きた場合、睡眠時間は7時間ではなく、8時間取ったことになります。

時計が進んだり、戻ったり・・・なんか混乱するわね(汗)

何が変わるのか?

仮に、毎朝7時に起床するとしましょう。

サマータイムが始まると、そこからの7ヶ月強、あなたは朝7時に起きていると思っていますが、それは、実際には、朝6時です。

サマータイムは、早朝1時間分の日光の光を切り取って、それを日没の時間帯に貼り付けている感じです。

そして・・・

仕事を終え、帰宅して数時間後の午後8時。

外はまだ、暗くなっていません。

あなたは「おかしいな?」と思うかもしれませんが、これは、実際の時間が、夜の8時ではなく、7時だからです。

なるほどー!分かったけど、すでになんか頭痛してきたかも(笑)

体内時計が狂って、時差ボケみたいになりそうだよね。

サマータイムを実施している州

実は、アメリカの、すべての州でサマータイムが実施されているわけではありません。

ハワイ州は1967年、アリゾナ州は1968に、それぞれサマータイム制度を廃止しています。

日照時間が長く、年間を通じて、日の出と日の入りの時間の変化が少ない地域では、デイライトセービング(日光の節約)をする必要性が低いんですよね。

また、プエルトリコ、グアム、ヴァージン諸島、サモア、北マリアナ諸島などの、アメリカ領の国々でもサマータイムは実施されていません。

サマータイムを実施するかしないかの決定権は、それぞれの州が持っているのです。

アメリカのサマータイムの歴史

サマータイムの恩恵を受ける産業と言えば、農業が有名です。これは、屋外で作業が出来る時間が長くなるからです。

このためアメリカでは、サマータイム制度が、農業の発展のために始まったと、勘違いしている人も多いです。

しかし、実は、サマータイムは、第一次世界大戦中の1918年に、エネルギー節約(節電)の試みとして、始まった制度です。

また、第二次世界大戦中には、サマータイムが1年を通して実施され、当時はデイライトセービングタイムではなく、「ワータイム(War Time・戦争時間)」と呼ばれていました。

戦争がない時には、それぞれの州で、サマータイムの実施や、実施のタイミングを、自由に決めていました。

しかし、この州や地域ごとの時間のズレが、テレビなどのマスメディアや、交通機関の間で混乱を招きました。

このため、1966年に、「Uniform Time Act (ユニフォームタイムアクト)」という法律が施行され、サマータイム実施の期間が、国内で統一されました。

サマータイムが嫌われる理由

サマータイムが「嫌い」もしくは、「無意味」だと思っている、アメリカ人はとても多いです。主な理由には、以下のようなことがあります。

体調が悪くなる

サマータイムの開始時と終了時には、突然時間が変わりますので、一時的に「時差ボケ」のような状況に陥ります。このため、頭痛がしたり、体がだるく感じたり、激しい眠気に襲われることもあります。

敏感な人になると、学校や会社を休まなければいけないほど、体調が悪くなる人もいます。

特に、元々時差ボケがひどい人や、精神疾患などの持病がある人は、体調を崩しやすいと言われています。

心臓発作のリスク

サマータイムが始まると、心臓発作を起こす人の数が、増えるという研究が、いくつか出ています。

American Heart Association(アメリカンハートアソシエイション・アメリカ心臓協会)も、まだ研究が不十分な分野であることを指摘しつつも、普段から健康な生活習慣を心がけることで、時間の変更に備えることを推奨しています。

交通事故の増加

スタンフォード大学が、アメリカの過去21年分の交通事故データを調査した研究があります。この結果によると、サマータイム開始時の月曜日と、終了後の日曜日は、交通事故死の数が著しく増えていた、ということです。

ちなみに、この時期に事故が増えるのは、サマータイム開始時には睡眠不足のため、終了時には、週末の時間が1時間増えることで、深夜の飲酒運転などが増加するためではないかと言われています。

エネルギーの節約になっていない

サマータイムと消費電力節約に関するほとんどの研究は、「サマータイムはエネルギーの節約にはならない」と結論付けています。

サマータイムの間は、多少ではありますが、確かに「電気(ライト)」をつけなくてもいい時間は長くなります。

しかし、時計が1時間進んでいることで、夜遅くまで暑いことが多く、家庭でのエアコン使用時間が、長くなっているのではないかと言われています。

もちろん、デイライトセービングが始まった1918年には、エアコンはありませんでしたので、当時は電力の節約になっていたのかもしれませんけどね・・・

意味を感じない・面倒

現代では、ほとんどの人が1日を屋内で過ごしますので、サマータイムの意味を感じていない人も多いようです。

また、電化製品の中には、サマータイムに対応していないものも多いですので、それらの時計を1つ1つ変更しなくてはいけません。これが、地味に面倒なんです。

大したことではないですが、サマータイムのメリットを感じていなければ、「なぜこんなことを1年に2回もやらなくてはならないんだ」と思うのは、当たり前かもしれませんよね。

残業が増える

8時ごろまで外が明るいと、仕事が終わってから色々出来て「ありがたい」と思う人もいるでしょう。確かに、外が真っ暗だと、公園を走ることさえ難しいですもんね。

しかし、職種によっては、労働時間が長くなってしまう人もいます。例えば、農業やゴルフなどのスポーツ業界です。

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また、今のようにインターネットやスマホが普及する前は、時計の針を進めたり、戻したりする手間もありました。

15年ぐらい前までは、デイライトセービング前の金曜日になると、学校の先生に「今週末、時計を設定しなおすのを忘れないように!」と、言われたものでした。

私も、時計の設定をスッカリ忘れて、授業が終わるころに起きたことがある1人です。

今となっては、懐かしいですけどね。

サマータイム廃止運動の状況

EUでも、2021年を目途に、加盟国のサマータイムの廃止が決まっていますが、今アメリカでも、デイライトセービングタイムの廃止運動が活発化しています。

カンザス州、オクラホマ州、テキサス州では、すでに廃止の法案が審議中になっています。

また、1年を通してデイライトセービングタイムの実施を検討している州もあります。言い換えると、サマータイムを「スタンダードタイム」とするということです。

例えば、ワシントン州、フロリダ州、カリフォルニア州、オレゴン州などです。

しかし、これを可能するためには、Uniform Time Act(現在のサマータイムのルールの基礎となっている法律)を改訂(かいてい)しなければいけません。

ですので、各州で法案が可決されたとしても、それが議会を通過することが出来るかは、まだ分かりません。

どちらにせよ、各州の投票でも、軒並みサマータイムの廃止に賛成派の人が多く、これからの動きが注目されています。

まとめ

いかがだったでしょうか。

日本にいたときは「サマータイム」と聞くと、「なんかカッコいい!」と思ったりしたものですが、いざアメリカに住んでみると、そうでもありませんでした。

特に、サマータイム開始直後の月曜日は、フリーウェイに寝不足の人があふれていますので、当てられないか、いつもヒヤヒヤしながら運転しています。

あと、サマータイムの始まりと終わりの時期は、季節の変わり目で、元々体調を崩しやすい時期ですので、やはり、体への負担が心配になります(汗)。

実際、頭が痛くなることもありますしね。

今後とも、注目していきたいトピックです。

参照

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